アオモリガールズに聞く・#1 <つづき>
先週に引き続き、アオモリガールズ#1に聞く(鈴木真央さん)をお届けします。
私(以下K)「それで、手袋を使った表現にしたのは何故ですか?」
鈴木(以下S)「これは、私の姉が父にプレゼントした手袋を私が借りて無くしてしまい、夜遅くまで探してみつからず。父と姉に心配をかけてしまったという実体験からきているのですが、その時すごい小さい事でも行動に現われる本当の気持ちってあるんだなぁと思いました。」
K「撮影された場所は、青森県の弘前市ですが、どうでした?」
S「弘前は映画に向いていると思います。私は北海道の出身です。弘前は広大な大地ではないですが、建物の密集感とか入りくんだ路地。いい意味でごっちゃりしている。濃縮している所が好きです。」
K「『しんとしている』という作品のタイトルについては?」
S「いや、あまり深い意味はなくて・・、つけた時は、見た人が『ん?』って思うような題名を心がけました。撮っちゃった後に、色々な雑音が入ってしまったので自分の技術のなさを逆手にとって、主人公の女の子のごちゃごちゃした気持ちの反対のタイトルをつけたのだと、出来てからこじつけちゃいました。見てくれた人からは、雰囲気があっていいタイトルだねって言われましたので、タイトルには自信があります(笑)」
K「しんとしているを初めて見たとき、冒頭で雪を踏みしめザクッ、ザクッという足のアップのシーン、あれっ?しんとしていない(笑)とか」
S「冒頭の足のアップは、雪を踏む音は意識的に撮影しました。ザクザクとした雑音が登場人物の気持ちがゴチャゴチャしていて、周囲の声が聞こえないというような意味でした。でも、歩く速度が遅すぎて見てくれた人からは、サスペンスってぽい・・・(笑)って言われました。」
S「作品を見てくれた方から、引いた絵(ロングショット)少なすぎる、もっと、ジワーと眺めていたかったって言われたんですが、確かにカットを切りすぎたと思いました。でも、長回しになると演技が難しくなるし、それを要求したくなかったんです。長くなると演技も不自然なものになるのじゃないかと思って、ある程度の短さでカットを割った方が自然かなと思いました。思考錯誤中の映画でした。」
K「『最後聞きとれなくて、上手く理解できなかった』という感想がありましたが・・」
S「最後ってどこですかね?『後10分でいつもの所きたらおごるよ』っていう又、いつもの二人に戻るところですかね?それが伝わらなかったんですかね。」
S「撮影をしている頃は、これってどこで盛り上がる映画なんだろうって思ってつくっていました。手袋を探すシーンを撮影した時に、これが核なんだと思ったのに、時間を避けなかったんです。一番の盛り上がりがここだって気づいたのに。しかも役者の人にとっても、あの場面は一番苦労したところだったんですよ。素手だし、暗かったし・・あそこはもっとじわっとしなきゃ駄目でした。」
K「お客さんの感想に『恋愛をテーマにした作品、女の子の気持ちがよくわかる作品でした』とありますが」
S「恋愛映画ではないのですが、どの辺りに恋愛を感じたんでしょうか?女同士の恋愛だといいのですが、恋愛というかもわからないくらい、どちらかというと人間ですかね。どう受け取られるかというのは、不思議ですね。これからは、自信をもって自分の作品の説明が出来たらいいです。誰にでも自分の作品を理解してもらおうというのは難しいと思いますが、色々な解釈があるにしろ色んな事が伝わる映画をとりたいと思いました。」
K「では、最後に。次回作は?」
S「次回作・・。色々書いたりはしているのですが。すっごく大ざっぱにいいますと、
人は人と出会うと何か変化があるという事、でもその変化は人それぞれで目に見えないものもあれば、すっごい人生が変わるぐらい大きな変化がある。それはすごく希望のある事だよっ、ていう映画を撮りたいです。」